狼に蛍が一匹とまっている

「狼に蛍が一匹とまっている」

この短歌を聞いた時、くすっと笑って素敵だ!と思った。
ちょっとおまぬけでポップな情景を思い描きながら、
子どもたちにも「どんな感じ?」ってワクワクしながら聞いてみた。

すると娘は、寂しいね、と言ったので私は驚いた。
娘には一匹狼の寂しそうな姿に寄り添う蛍が見えたのだと教えてくれた。

息子は更に、息子らしい答えで、
群れの中にいるちょっと出来損ないの弱い狼にとまった蛍が励ましているんだよと教えてくれた。

その二人の答えにまた、二人の生き方を見た気がして、心をうたれていた。

同じ言葉を聞いても、人によってこんなにとらえ方が違うもので、
毎日隣にいる子どもたちの耳に残る世界さえ私は知らない。

言葉は無意味だと思う日がある。
言葉に翻弄される日もある。
言葉に救われる日がある。

そうして、また、私は私の言葉を紡ぎながら、やっぱり言葉は面白い!と思っている。

最近、家族でお題を出し合って短歌を詠みあう雅な遊びをしている。
子どもたちの言葉はいつもフレッシュで、心にまっすぐ届く。

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