とっておきの言葉

少し前、高松にある古道具屋さんの店主の方と少しお話をする機会があった。
本当に30分くらいの間だったけれど、その方がふいに、子どもの頃の話を始めた。

「古い映画館があったんです。子どもの頃そこに父と通っていて、大きくなって映画館が閉館になる前に見に行ったら、そこに父がいました。
父も見に来ていたんです(笑)」というお話だった。

私の前には見たこともない少年とお会いしたこともないお父さんが立っていて、古い映画館で楽しそうに肩を並べる姿が見えた。

たまたま寄った本屋さんで立ち読みしたらものすごい素敵な本に出会ったような感動だった。

その感動を語彙力のない私はうまく表現できず、伝えることもできず、「また、遊びに来てください」という意味不明なことを言ってしまった。

私にとって、とっておきの話というのがある。

うまく言えないけど、急に始まって、その瞬間に自分もそこにいるようで、幸せな時間を共有したような一瞬のようで永遠みたいな時間。

学校に出る前に娘が振り返って「あぁ、お母さん、昨日帰りにイチジクが、緑のイチジクがなり始めとったわ」

クリーニング屋さんの方が、「昨日、お鍋食べたんよ」

だったり、何の準備もしていない時にやってくる。

そのたびに私はその余韻にひたりながら、とっておきの言葉を繰り返す。

2024年3月8日

ミニチュアの地球

夏休みが光のスピードで通り抜けていった(笑)
家の中は猛獣でも飼っているみたな状態で、私も猛獣になっていた…

夏休みの終わりにふと、子供たちが将来なりたいものの話をした。

子どもたちは、保母さんになりたいとか、ゲームの会社の社長になりたいとか、今好きなものの延長を夢にしていた。

自分の小さい頃、本を読んだり、絵ばっかり描いたりして妄想族だった私も、将来は絵や文章を書く仕事がしたいなぁと思っていた。

それで、いろんな人に「小さい頃はどんなお子さんでしたか?」と聞いてみた。

すると、小さい頃から起用で工作を作るのが好きだった方は大工さんに、同じ起用でも、子どもの頃からお母さんと台所に入るのが好きだった方はシェフさんに、
その中でも、可愛いものが好きでしたという方は自身でカフェを経営したり、おしゃべりでしたという方は営業さんにと、
お話を伺いながら、子どもの頃のその方々とお話しているみたいで、ものすごく楽しくなった。

学校の一つのクラスの中にいたいろんな子どもたち。

「〇〇君は、まとめるのがうまいから学級委員やって、〇〇ちゃんは足が速いから運動会のアンカーな!」

そんな日々を思い出す。

今は大きな地球のクラスでそれぞれの持ち場で、社会をより素敵なものにしている。

どんなにすごい子でも、一人で世界は作れない。

子どもたちに、そんな話をしていたら、じゃあ学校の成績じゃないってことやな!と言われしまう…(´;ω;`)

そんなバトンパスみたいな世界に心から感謝したい。

2023年9月1日

日々御礼

日々目の前のことに追われ…

取引先の方と「日々煽り運転でしかれながら運航中」と爆笑しながらの毎日…🚴

のんびり屋だったはずなのに、今はものすごく、ものすごくせっかちになっている(笑)

皆、違う場所で必死になって仕事をしていて、ゆっくり会社の皆と話す時間もないけれど、

いってきます、という時に、いっらっしゃいと声をかけてくれたり、

振り返った時、皆の頑張っている姿を後ろから見ると、

信じられないくらいパワーをもらっている。

どんな状況にいてもトスを上げたら受け取ってくれるという自信がある。

車を運転しながら、今日も皆が頑張っている姿を想像すると、ふふふと幸せな気持ちになる。

一人っ子だった私は遊びも、何かするのもたいてい一人でできることが好きだった。

今は、家族というチームが大好きで、会社というチームが大好きになった。

だから、外に出て仕事をする時も絶対にトスを返せる人であろうと思う。

いつも、本当にありがとうございます。

2023年7月3日

心のすきまを埋めるもの

気が付くと、5月もあっという間に終わろうとしている…Σ( ̄ロ ̄lll)
4月から新生活がスタートした方々、5月病にはかかっていませんか?

今日、家から少し離れたお気に入りの郵便局に久しぶりに行きました。
いつもは近くでちゃっと済ませたりするけれど、大切な用事の時だけその郵便局にお世話になっています。

とはいえ、たくさんのお金を預けるわけでも、保険に入っているわけでもない私。

それでも、大切な用事はそこと決めています。

引っ越してまだ間もなかった頃、馴染の場所もなく、たまたま入った郵便局で居心地よく丁寧に接客して頂いたことがきっかけでした。

それから、子どもが生まれて、公園が近かった為、ちょくちょくと利用させて頂き、抱っこ紐の時期にはお気遣い頂いたり、

子どもが少し大きくなると風船を頂いたり、

また、引っ越して住所が変わる時の郵便物の転送をお願いしたり、

どのシーンでも、人が並んでいても、面倒くさい要件で申し訳ないなと思うことも、丁寧に、親切にして頂きました。

今日も、並んでもらってすみません!お菓子でも召し上がってくださいとおやつを頂きました。

私にしては、少し多めのお金を移動する事に緊張していたので、なんだか、ほっこりとして、大丈夫ですよ、と声をかけて頂いたような気になりました。

私の節目と共にいつも、見えない所でこうやって支えてくれている人たちがいて、

もう少しだけ、大人になって、次の節目と共に成長できたら、きっと小さい恩返しができるといいなぁと思っています。

2023年5月25日

しましまのしま

お正月休みに小豆島に遊びにいってきました。

寒いけれど船に乗って、海を見ていると心が癒されます。

海も山も木も坂も好きなので、島は楽園です笑

目的は特に決めず、ピンときた場所をめぐりました。
西の滝龍水寺では有難いお話を聞けたり、魔女になって空を飛んだり笑

島の中のオリーブは皆温厚でニコニコとしていました。

エンジェルロードで海をずっと眺めながら、「母なる大地」という言葉を想いました。

立派でなくていい、何かしても、しなくてもいい、
どこに行ってもいいし、そこでいてもいい。
ただ、一緒。私の中にいつもいる。

その言葉を海からもらいました。

2023年2月1日